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シンプルで王道的なタイトルの新書には良書が多い【新書読書】

黒田 龍之助  世界の言語入門 講談社現代新書, 2008/9/19   見て下さい! この短くスマートなタイトル! そして人文系に定評のある講談社現代新書! これは文系大学生の教科書に推薦されるようなスタンダードかつバランスの取れた良書に違いない!   などという予断を平然と打ち砕く本です。 いや、悪い本ではないんですが……合う人と合わない人がかなり分かれそうな本です。 &n […]

ネットを捨てよ、書へ戻ろう【新書読書】

杉山 登志郎 発達障害の子どもたち 講談社現代新書, 2007/12/19     「発達障害」を専門とする臨床家の手による、一般向けの概説書です。 このトピックは喧々諤々ですが、インターネットでは本当に好き放題に言われているので、「何か一つでもマトモな書籍を紹介しなければ」と以前から思っていたところです。   かねてより診断基準や呼称が入り乱れて混沌としている「発達 […]

「社会には理解不能な化け物がいる」と理解しておくことが一つの自衛になる【新書読書】

松崎 一葉 クラッシャー上司 平気で部下を追い詰める人たち PHP新書, 2017/1/13   いつもは実学系や教養系の本が多いので、今回はちょっと趣向の異なる本を。 「一見すると有能に見えるが、実は非常に危険で有害な人」についての話です。   私たちが普段接する人々というのは大方、ざっくり言えば「まともな人」だと思います。 「明らかにマトモでない人」というのは、往々にして「 […]

認知科学と人工知能はコインの裏表【新書読書】

有田 隆也 心はプログラムできるか 人工生命で探る人類最後の謎 サイエンス・アイ新書, 2007/8/16   「認知科学と人工知能研究は、コインの裏表である」という考え方があります。 言い換えるならば、 認知科学は「コンピュータとのアナロジーで人間の認知を解釈する」学問、 一方で人工知能研究は「人間の認知をコンピュータで模倣する」学問、ということです。   本書のタイトルだけ […]

「常識を疑う」ことを大事にする人ほど、科学を学んでおいた方がいい理由【新書読書】

竹内 薫 99.9%は仮説 ~思いこみで判断しないための考え方~ 光文社新書 2006/2/16   あらゆる科学的理論は、実は仮説にすぎない   分かっている人からすれば「何を今更」と言う話かもしれません。 「えっ、それどういうこと?」と思った方は本書を一読する価値があると思います。 「そういう言い回しをよく聞くから、何となく『そうそう』ってツラしてるけど、実は元ネタがどんな […]

「動物園」は「生きている博物館」でもある【新書読書】

加藤 由子 みんなが知りたい動物園の疑問50 サイエンス・アイ新書, 2007/10/16     「動物園の面白さ、楽しみ方」を布教したくて、今回はこの本を選びました。   「動物園」を表す「Zoo」は、略さず書くと「zoological garden」。 「Zoology」というのは「動物学」のことです。 博物館が博物学を学べる場であり、植物園が植物学を学べる場で […]

歴史を知ると、コーヒーはもっと豊かに味わえる【新書読書】

旦部 幸博 珈琲の世界史 講談社現代新書, 2017/10/18     「食文化の歴史本」って好きなんです。 一つには、「歴史という観点から食を捉えることが出来る」から。 もう一つは、「食という断面で歴史を捉え直すことが出来る」から。 今回はそんな本を一冊紹介します。   コーヒーは紅茶と並んで世界中で供されている飲料の一つです。 そして紅茶と同様に、世界を背景にし […]

基礎医学研究の熱さ・面白さを覗いてみたい【新書読書】

児玉 龍彦, 浜窪 隆雄 考える血管 細胞の相互作用から見た新しい血管像 ブルーバックス, 1997/6/20   高校生物の教科書と学術的な医学書の中間くらいのレベル。 こういうのはブルーバックスのお家芸ですね。   著者の児玉龍彦氏は基礎医学研究で非常に有名な方です。 本書も、題材は「生活習慣病」という比較的一般ウケするものでありながら、アプローチとしてはゴリゴリの生物学で […]

「ギャンブルなんて損をするだけ」と言う主張がナンセンスである理由【新書読書】

谷岡 一郎 ツキの法則 PHP新書 1997/7/1     「これは本当に出版社の手を経た本なのか……?」という不安になるような本が多いPHP新書。 本書も「中公」や「ちくま」だったらまず書籍にならないだろう、という内容なんですが、そのバランスの危うさが逆にいい味になっている気がする。いや、気のせいかもしれない。   本書は「ギャンブルはこうすれば勝てる」という「必 […]

評判の良い新書レーベルにも微妙な本はあるよね【新書読書】

金子 隆芳 色彩の心理学 岩波新書, 1990/8/20     「文系の大学生なら新書くらい読むべきだ」 「新書にも色々あるだろう。読めばいいってものじゃない」 「なら岩波新書ならハズレは無い。分からなければ岩波新書から選べ」   ……こういうやり取りを見る度にモヤモヤしてしまうのは、 私が岩波でも時々「ハズレだなー」と思う本を引くからです。 なぜAmazonで電子 […]

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