9 文学

日本文学・海外文学など

古いアイルランド語を辞書で引く方法

こんにちは。お久しぶりです。 情報化して久しい我々の社会ですが、たまに「ネットで調べればたいていのことはわかる」みたいな言葉を聞きます。 いつかも某小学生Youtuberが「漢字はググればいい」と発言したとか。別にその子に思うところがあるわけではないですが……。 世の中必ずしも「ググればわかる」ことばかりではなく、ジャンルによってはググっても情報が無かったり、あるいは逆に嘘情報が出てきたりします。 […]

【書評】ニルヤの島

  柴田勝家 ニルヤの島 ハヤカワ文庫JA,  2016/8/24     BACKGROUND ――対象 第2回ハヤカワSFコンテスト(2014年)の大賞作品ですね。 著者の柴田勝家(ホントにそういうペンネームです)氏は本作で作家デビューした新人。 2016年には短編で星雲賞も受賞しています。   ……と、受賞歴はSF一色ですが、著者は実は民俗学で修士号を […]

【書評】アウシュヴィッツの図書係

    アントニオ G イトゥルベ(著), 小原 京子(翻訳) : アウシュヴィッツの図書係. 集英社, 2016/7/5       BACKGROUND ――対象 ナチス政権下でのアウシュヴィッツを描いた物語。 物語としての肉付けを行ったためかフィクションという体裁を取っていますが、実在する人物を扱っており、大筋においては限りなくノンフィクションに近い性 […]

  • 2018.05.07

「ケルト神話」って何なのさ:② アイルランドの伝承概説1

前回の記事ではケルト人について、「ケルト神話」と関連する話題をお話ししました。今回は、具体的に「ケルト神話」の大部分を占めるアイルランドの伝承を見ていきましょう。 アイルランドは、地理的にはブリテン島の西にある島で、面積は北海道とほぼ同じ、高い山はないものの起伏が多く、土壌はあまり肥沃ではありません。気候としては偏西風のため曇りや雨が多いですが、暖流の影響のため緯度の高さに比して温暖です。歴史的に […]

【書評】小説家の作り方

【書評】小説家の作り方   小説家の作り方 野崎まど, メディアワークス文庫, 2011/3/25       BACKGROUND ――対象  近年色々なレーベルから出版している野崎まど氏の、比較的初期の作品です。  昨年はアニメの『正解するカド』の脚本で非常に物議を醸し、一部で有名となりましたね。    本作品の主人公は駆け出し作家。人物や舞台 […]

【書評】甲賀忍法帖

【書評】 甲賀忍法帖   甲賀忍法帖 山田風太郎, 角川文庫, 2010 (初刊行は1959年)     BACKGROUND ――対象  「敢えてこの時代に紹介したい作品」ということで持ち出してみました。  超能力を駆使する忍者たちがひたすらに能力バトルするお話であります。    「なんだ、またそういうラノベか」って?   いえいえ、これは「ライトノベル」なんて言葉 […]

  • 2018.02.03

「ケルト神話」って何なのさ:① ケルト人と「ケルト神話」

皆さんは「ケルト神話」ってご存知でしょうか。聞いたことくらいはある?結構。聞いたこともない? それも結構。まあとりあえず読んでってくださいよ。 「ケルト神話」と聞いたとき、きっと多くの方が真っ先に思い出すのはあの英雄でしょう。そう、クーフーリンなどと呼ばれるあの人です。他にも何人かの英雄の名前を挙げることができることでしょう。ではケルト人の神々の名前を挙げられるでしょうか。あるいは「ケルト神話」が […]

【書評】遠野物語へようこそ

【書評】遠野物語へようこそ     遠野物語へようこそ 著/三浦佑之・赤坂典雄 ちくまプリマー新書 2010/1/5     BACKGROUND ――対象  怪談や民間伝承に興味の湧いた人が必ず出会うのが、柳田国男の『遠野物語』。  成立から100年を数える『遠野物語』は、岩手県の「遠野」を舞台にして定着した「河童」や「神隠し」や「マヨイガ」といった伝承を土着のまま […]

どうしてトナカイの鼻は「赤い」のか?【隙間リサーチ】

この時期にお馴染みの『赤鼻のトナカイ』。 よくよく考えると「トナカイの赤い鼻で夜道を照らして走る」って意味不明じゃないですか? というわけで気になったので色々調べてみました。       1.そもそもトナカイの鼻って何色? まず普通のトナカイの鼻って何色なんでしょう? こちらの画像です。はいドーン。 (PEXELSより/Jokob氏撮影) 黒い。 毛で覆われていても、 […]