わかばめ

常微分方程式の解の一意性が成り立たない例についてざっくりと。

解が無数にある常微分方程式 単純な常微分方程式についても, 解の一意性は必ずしも成り立たないことを本記事では紹介します: 次の常微分方程式の初期値問題を考えましょう \begin{align*} \begin{cases} \dfrac{dx}{dt}(t) = -2\sqrt{|x(t)|},\\ x(0) = 1. \end{cases} \end{align*} まずは, これを変数分離法を用いて解いてみましょう. \(x \ge 0\) のときは \(|x(t)| = x(t)\) とし […]

フーリエ変換は自然現象を捉えるのに便利である

前回記事フーリエ変換とは無限次元空間の直交分解のひとつであるでは、 三角関数の族は関数空間の正規直交基底になっているよ! フーリエ変換はそれらへの直交分解だよ! ということを説明しました。 今回はさらに、 フーリエ変換は自然現象を捉えるのに役に立つよ!! ということを説明していきたいと思います。 フーリエ変換で熱の拡散を捉えてみよう 明日の東京の気温はどれくらいだろうか? エアコンはどこに置くと冷却効率がよいだろうか? アツアツの鍋はどれくらい待てば持てるようになるだろうか? 今の状態から、将来 […]

フーリエ変換とは無限次元空間の直交分解のひとつである

前回の記事では, 2次元のベクトルに対して, 内積を通して直交分解を理解しました. 2次元空間での内積 \((\cdot,\,\cdot)\) には, 大まかに言って次の3つの性質があります. (1) 任意の \(x\in \mathbb{R}^2\) に対して, \((x,\, x)\ge 0\)であり, さらに \((x,\, x)= 0\) と \(x=0\) は同値 (2) 任意の \(x,y \in \mathbb{R}^2\) に対して, \((x,\, y)= (y,\, x)\) […]

ベクトルの直交分解の話

記事を3回に分けて, フーリエ級数展開は直交分解の一種だということをお伝えします. 直交分解って? まずは私たちが認識しやすい次元空間を例に取り, 平面ベクトルを分解することを考えていきましょう. この記事では, 2平面ベクトル \(a\), \(b\) は列ベクトルとして書きます. つまり $$a=\begin{pmatrix}a_1\\a_2\end{pmatrix},\quad b=\begin{pmatrix}b_1\\b_2\end{pmatrix}$$ と書き表せることと約束します. […]

特異値、特異ベクトルと特異値分解の話

二次の正方行列に対して、具体的な計算を通して特異値分解についての解説を試みます。 早速ですが、復習問題です。 2つの行列 $$A=\begin{pmatrix}5 &1\\1&5\end{pmatrix},\quad B=\begin{pmatrix}4 &2\sqrt{3}\\0&2\end{pmatrix}$$ に対して、次の各問いに答えよ。 (1) それぞれの固有値と固有ベクトルを求めよ。 (2) \(x = \begin{pmatrix} \cos\the […]

対称行列とレイリー商、ミニマックス定理の話

前回は行列は固有ベクトルの向きを変えないということを説明しました。 今回も引き続き、対称行列 $$A=\begin{pmatrix} 5 &\sqrt{3} \\ \sqrt{3} & 3\end{pmatrix}$$ を用いて、行列の固有値について解説をしていきます。 前回は行列は正方形を平行四辺形に写すものとして説明しましたが、今回は半径 \(1 \) の円(単位円)を写してみましょう。 行列 \(A\) による単位円の像は楕円形をしています。 楕円の長軸、短軸がそれぞれ固有 […]

行列の固有値と固有ベクトルの話

今回は $$A=\begin{pmatrix} 5 &\sqrt{3} \\ \sqrt{3} & 3\end{pmatrix}$$ という行列を例に、線形代数で学ぶ固有値と固有ベクトルについて理解を深めて行きましょう。 固有値と固有ベクトルを視覚的に理解する話として、次の記事も参考になります。 【数学】固有値・固有ベクトルとは何かを可視化してみる 行列はベクトルをベクトルに写す写像と言えます。また、正方形を平行四辺形に写す写像と捉えることもできます。 行列同士の掛け算や、行列と […]