2021年4月

歴史を知ると、コーヒーはもっと豊かに味わえる【新書読書】

旦部 幸博 珈琲の世界史 講談社現代新書, 2017/10/18     「食文化の歴史本」って好きなんです。 一つには、「歴史という観点から食を捉えることが出来る」から。 もう一つは、「食という断面で歴史を捉え直すことが出来る」から。 今回はそんな本を一冊紹介します。   コーヒーは紅茶と並んで世界中で供されている飲料の一つです。 そして紅茶と同様に、世界を背景にしたストーリーを持っています。 千年以上前のイスラームから近代のヨーロッパ、そして日本へ。 この流れを […]

基礎医学研究の熱さ・面白さを覗いてみたい【新書読書】

児玉 龍彦, 浜窪 隆雄 考える血管 細胞の相互作用から見た新しい血管像 ブルーバックス, 1997/6/20   高校生物の教科書と学術的な医学書の中間くらいのレベル。 こういうのはブルーバックスのお家芸ですね。   著者の児玉龍彦氏は基礎医学研究で非常に有名な方です。 本書も、題材は「生活習慣病」という比較的一般ウケするものでありながら、アプローチとしてはゴリゴリの生物学で解説されています。 生半可な「健康マニア」程度では、本書には歯が立たないかもしれません。 「分かりや […]

「ギャンブルなんて損をするだけ」と言う主張がナンセンスである理由【新書読書】

谷岡 一郎 ツキの法則 PHP新書 1997/7/1     「これは本当に出版社の手を経た本なのか……?」という不安になるような本が多いPHP新書。 本書も「中公」や「ちくま」だったらまず書籍にならないだろう、という内容なんですが、そのバランスの危うさが逆にいい味になっている気がする。いや、気のせいかもしれない。   本書は「ギャンブルはこうすれば勝てる」という「必勝法」の本ではありません。 しかし「ギャンブルなんか期待値見たらマイナスなんだからやめときなさい」と […]

評判の良い新書レーベルにも微妙な本はあるよね【新書読書】

金子 隆芳 色彩の心理学 岩波新書, 1990/8/20     「文系の大学生なら新書くらい読むべきだ」 「新書にも色々あるだろう。読めばいいってものじゃない」 「なら岩波新書ならハズレは無い。分からなければ岩波新書から選べ」   ……こういうやり取りを見る度にモヤモヤしてしまうのは、 私が岩波でも時々「ハズレだなー」と思う本を引くからです。 なぜAmazonで電子書籍も無く新品紙書籍も品切れ中の本を紹介したかと言えば、その代表例になってもらうためです。 ごめんな […]

イデオロギーは一旦脇に置いて、まず「科学としての進化学説」に触れてみる【新書読書】

木村 資生 生物進化を考える 岩波新書 1988/4/20     進化論、お好きですか? ネットの皆様が進化論を語るのが大好きなのは重々存じております。   ところで、日本には世界的にも有名な進化学者がいましたね。 え? 知らない? いやいやまさかそんなはずは……。 こちら、木村資生大先生でございます。 生物の教科書では「遺伝的浮動」や「進化の中立説」というキーワードで有名です。 Google Scholarを使ったことがある人なら、画像の業績がどれだけトンデモネ […]