オリヴァー・サックス (著), 大田直子 (翻訳) 見てしまう人びと 幻覚の脳科学 ハヤカワ・ノンフィクション文庫, 2018/3/20 今回は新書じゃなくて文庫です。 まぁ時々こういうことがあってもいいでしょう。 SNSでちょっとしたオカルトなお話がありました。 当人が本当に「そう」なのかは分からないので直接引用はしませんが、簡単に言うと「十代の娘が動物の霊に憑かれた […]
中山 元 フーコー入門 ちくま新書, 1996/6/1 今回は「素人として哲学書・思想書を読むこと」についてのお話。 「○○入門」的なダイジェスト版の解説書について、哲学を専門とする方々は各々一家言お持ちかと思います。 「原著を原語で読んで自分で解釈しなきゃ話にならん」という方もいらっしゃるようです。 しかし、「2チームが互いに9人以上揃えて […]
小泉 英明 脳の科学史 フロイトから脳地図、MRIへ 角川SSC新書, 2011/3/10 一般向けの「脳科学の本」では、よく「〇〇をやると脳のここが活性化します」という言い回しが度々見られます。 しかし、この「脳が活性化する」という記述が何を意味するのかが、その本にはきちんと書いてあるでしょうか? 「脳科学でこんなことが分かった」という「結論」の部分は頻繁に喧伝されますが、その研 […]
岡本 茂樹 反省させると犯罪者になります 2013/5/17, 新潮新書 今回は攻めたタイトルのこの本です。 著者は長年に渡って刑務所における受刑者の教育に携わっており、本書もそこでの経験から書かれています。 このタイトルを目にした時に、反射的に「『反省』の何が悪いのか」と言いたくなる方も多いかもしれません。しかし、本書の主張は「『反省』が悪い」ということではありま […]
黒田 龍之助 世界の言語入門 講談社現代新書, 2008/9/19 見て下さい! この短くスマートなタイトル! そして人文系に定評のある講談社現代新書! これは文系大学生の教科書に推薦されるようなスタンダードかつバランスの取れた良書に違いない! などという予断を平然と打ち砕く本です。 いや、悪い本ではないんですが……合う人と合わない人がかなり分かれそうな本です。 &n […]
杉山 登志郎 発達障害の子どもたち 講談社現代新書, 2007/12/19 「発達障害」を専門とする臨床家の手による、一般向けの概説書です。 このトピックは喧々諤々ですが、インターネットでは本当に好き放題に言われているので、「何か一つでもマトモな書籍を紹介しなければ」と以前から思っていたところです。 かねてより診断基準や呼称が入り乱れて混沌としている「発達 […]
松崎 一葉 クラッシャー上司 平気で部下を追い詰める人たち PHP新書, 2017/1/13 いつもは実学系や教養系の本が多いので、今回はちょっと趣向の異なる本を。 「一見すると有能に見えるが、実は非常に危険で有害な人」についての話です。 私たちが普段接する人々というのは大方、ざっくり言えば「まともな人」だと思います。 「明らかにマトモでない人」というのは、往々にして「 […]
有田 隆也 心はプログラムできるか 人工生命で探る人類最後の謎 サイエンス・アイ新書, 2007/8/16 「認知科学と人工知能研究は、コインの裏表である」という考え方があります。 言い換えるならば、 認知科学は「コンピュータとのアナロジーで人間の認知を解釈する」学問、 一方で人工知能研究は「人間の認知をコンピュータで模倣する」学問、ということです。 本書のタイトルだけ […]
竹内 薫 99.9%は仮説 ~思いこみで判断しないための考え方~ 光文社新書 2006/2/16 あらゆる科学的理論は、実は仮説にすぎない 分かっている人からすれば「何を今更」と言う話かもしれません。 「えっ、それどういうこと?」と思った方は本書を一読する価値があると思います。 「そういう言い回しをよく聞くから、何となく『そうそう』ってツラしてるけど、実は元ネタがどんな […]
加藤 由子 みんなが知りたい動物園の疑問50 サイエンス・アイ新書, 2007/10/16 「動物園の面白さ、楽しみ方」を布教したくて、今回はこの本を選びました。 「動物園」を表す「Zoo」は、略さず書くと「zoological garden」。 「Zoology」というのは「動物学」のことです。 博物館が博物学を学べる場であり、植物園が植物学を学べる場で […]