狐太郎

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物理現象としての「台風」を勉強してみる【新書読書】

上野充 (著), 山口宗彦 (著)  図解 台風の科学 発生・発達のしくみから地球温暖化の影響まで ブルーバックス, 2012/7/20   今回は季節モノを持ってきました。 「台風」という現象一つで一冊語り通すという、なかなかにキマった本です。   気象の異端児ともいうべき「台風」。 こいつを理解するためには、実はかなりの予備知識が必要です。 中学理科では「高気圧」「低気圧」 […]

「お金に煩わされたくない人」がお金を増やすための、地味だけど期待値の高い方法【新書読書】

山崎 元, 水瀬ケンイチ 全面改訂 ほったらかし投資術 朝日新書, 2015/6/12   ちょっと前に資産運用のことをTwitterで呟きました。 ツリーごとコピペするのは冗長なので要点をかいつまみますが、 ・素人考えで買った個別株の含み益よりも米国インデックスの利益の方が遥かに大きかった ・私にとっては株を頑張るより普通に働いてインデックス投資する方が総合的に利益が大きい という個人 […]

「言語を扱える人はその言語を教えられる」という誤解について【新書読書】

原沢 伊都夫 日本人のための日本語文法入門 講談社現代新書, 2012/9/14     英語教育の世界で「ネイティブ信仰」みたいなのってあるじゃないですか。 言語学や教育学について何の素養もない外国人が「ネイティブ」だというだけで英語のレッスンをしていたり。 「この文法はネイティブに聞いたらこう言ってた」みたいな言い分がまことしやかに権威性をまとっていたり。 でも実際のところ […]

「自分の手で数式と格闘した手触り」でしか納得できない領域がある【新書読書】

竹内 淳 高校数学でわかるシュレディンガー方程式 量子力学を学びたい人、ほんとうに理解したい人へ ブルーバックス, 2005/3/17   「みんなが名前くらいは知っているけど、実物にちゃんと中身を見た人は少ない」 「大多数の人々は『何となく難しそう』程度のイメージしか持っていない」 そういうものって、世の中に結構あります。 「アインシュタインの相対性理論」や「ゲーデルの不完全性定理」と […]

怪異に遭ったら、お祓いよりまず病院へ【新書読書】

オリヴァー・サックス (著), 大田直子 (翻訳) 見てしまう人びと 幻覚の脳科学 ハヤカワ・ノンフィクション文庫, 2018/3/20   今回は新書じゃなくて文庫です。 まぁ時々こういうことがあってもいいでしょう。   SNSでちょっとしたオカルトなお話がありました。 当人が本当に「そう」なのかは分からないので直接引用はしませんが、簡単に言うと「十代の娘が動物の霊に憑かれた […]

思想書を独りで読む時に、「補助輪」があると助かる【新書読書】

中山 元 フーコー入門 ちくま新書, 1996/6/1     今回は「素人として哲学書・思想書を読むこと」についてのお話。   「○○入門」的なダイジェスト版の解説書について、哲学を専門とする方々は各々一家言お持ちかと思います。 「原著を原語で読んで自分で解釈しなきゃ話にならん」という方もいらっしゃるようです。   しかし、「2チームが互いに9人以上揃えて […]

「〇〇をすると脳が活性化する」って結局どういうことなの?【新書読書】

小泉 英明  脳の科学史 フロイトから脳地図、MRIへ 角川SSC新書, 2011/3/10   一般向けの「脳科学の本」では、よく「〇〇をやると脳のここが活性化します」という言い回しが度々見られます。 しかし、この「脳が活性化する」という記述が何を意味するのかが、その本にはきちんと書いてあるでしょうか? 「脳科学でこんなことが分かった」という「結論」の部分は頻繁に喧伝されますが、その研 […]

「反省させる」と、本当に「犯罪者になる」のか?【新書読書】

岡本 茂樹   反省させると犯罪者になります 2013/5/17, 新潮新書   今回は攻めたタイトルのこの本です。 著者は長年に渡って刑務所における受刑者の教育に携わっており、本書もそこでの経験から書かれています。   このタイトルを目にした時に、反射的に「『反省』の何が悪いのか」と言いたくなる方も多いかもしれません。しかし、本書の主張は「『反省』が悪い」ということではありま […]

シンプルで王道的なタイトルの新書には良書が多い【新書読書】

黒田 龍之助  世界の言語入門 講談社現代新書, 2008/9/19   見て下さい! この短くスマートなタイトル! そして人文系に定評のある講談社現代新書! これは文系大学生の教科書に推薦されるようなスタンダードかつバランスの取れた良書に違いない!   などという予断を平然と打ち砕く本です。 いや、悪い本ではないんですが……合う人と合わない人がかなり分かれそうな本です。 &n […]

ネットを捨てよ、書へ戻ろう【新書読書】

杉山 登志郎 発達障害の子どもたち 講談社現代新書, 2007/12/19     「発達障害」を専門とする臨床家の手による、一般向けの概説書です。 このトピックは喧々諤々ですが、インターネットでは本当に好き放題に言われているので、「何か一つでもマトモな書籍を紹介しなければ」と以前から思っていたところです。   かねてより診断基準や呼称が入り乱れて混沌としている「発達 […]

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