狐太郎

3/12ページ

「美術の蘊蓄は小難しくて良く分からん!」という人にこそ読んでほしい入門書【新書読書】

池上 英洋 西洋美術史入門 ちくまプリマー新書 2012/12/5   結構前から積んでた本なんですが、最近ようやく読みました。 あまりの面白さから一気に通読し、そして後悔しました。 「アノ本やソノ本に手を付ける前に、この本を一番最初に読めばよかった!」と。   本書の「分かりやすさ」は美術史本の中でもピカイチです。 あまり話題や情報を散らかさず、一つの読み物として読める構成に […]

推理小説のように「麻酔を嗅がせて一瞬で気絶させる」ことは可能ですか?【新書読書】

諏訪 邦夫 麻酔の科学 手術を支える力持ち ブルーバックス, 2010/6/22     突然ですが、「麻酔科医」と呼ばれる医師のことはご存知でしょうか。 近年はマンガ等にもなっているので、昔より知名度は上がっているかもしれません。 心臓には「心臓の医師」、脳には「脳の医師」がいるように、麻酔には「麻酔の医師」がいるのです。「特定の臓器を専門としない」という意味では珍しい診療科 […]

「貧困」と「性風俗」と「知的障害」の密接な関係【新書読書】

坂爪 真吾 性風俗のいびつな現場 ちくま新書, 2016/1/7   「性産業のことあんまり知らんなー」と前々から思ってたので、性風俗についての教養が欲しいなと思って何冊か購入しました。 性風俗の話って、何でみんな「まぁこのくらい常識でしょ」みたいなツラして語るのに、利用有無の話になると「いや俺は行ってないけど」って言うんでしょうね。 「体験してないけど知っている」ということは、みんな実 […]

ハロウィンも近いから誤解されがちな『フランケンシュタイン』について語らせてほしい【新書読書】

廣野 由美子 批評理論入門 『フランケンシュタイン』解剖講義 中公新書, 2005/3/1   8月頃にある方と『フランケンシュタイン』の話をしてから自分の中でフランケンシュタインが再燃してまして。 『フランケンシュタイン』マリー・ウォルストンクラフト・シェリー 原作を読んだり関連書籍を読み散らかしたりしていました。   キャラクターとしての「フランケンシュタインの怪物」は、す […]

科学的に突き詰めた先にある、「美味しいものは美味しい」という結論【新書読書】

古賀 邦正 最新 ウイスキーの科学 熟成の香味を生む驚きのプロセス ブルーバックス, 2018/2/15   ウイスキーが好きなんです。 私は全く量が飲めないので、「すごく美味しいものを少しだけ飲む」という方向で最適化して来て、たまたま辿り着いたのが「ウイスキー」だった、という感じです。 もちろんビールやワインも場や食事に合わせて飲みますが、自宅で一人で飲むのはウイスキー。 一人でちびち […]

流石にここまでは言わんけど、言わんとすることには全体的に共感してしまう【新書読書】

中川淳一郎 ウェブはバカと暇人のもの 光文社新書, 2009/4/17     いきなりアカウント消したので驚かれた方もいるかも知れません。 最近この本に近いことをよく考えるようになっていて、「いつ辞めようかなー」と思いつつ「まぁノーコストだし別に続けてもいいか」と思っていたのでした。たまたまそこに特大のコストが降ってきたので、「神は言っている、ここでSNSを辞める運命だと」と […]

キットカットの溝に刻まれた、世界の経済と工業の歴史【新書読書】

武田 尚子 チョコレートの世界史 近代ヨーロッパが磨き上げた褐色の宝石 中公新書, 2010/12/1   みなさん、チョコレートはお好きでしょうか? 私はチョコレートが好きです。   そんなわけで先日、チョコレート好きが高じて「チョコレート検定」を受けてきました。 私の受けた中級はテキストやっとけば受かる系だったんですが、テキストを読みながら「そういえば文化史好きなのにチョコ […]

「植物」という「相互理解不能な隣人」に想いを馳せる【新書読書】

田中 修 ふしぎの植物学 身近な緑の知恵と仕事 中公新書, 2003/7/1   今日は「植物」の本。 著者は植物学の教授であり、NHKラジオ「子ども科学電話相談」の植物担当として有名な田中修先生です。   「植物」は、あまり動かない事もあって地味で単純な生物という印象を持たれがちです。 アリストテレスは「植物」を「動物」と「物体」の中間的な存在と位置づけましたが、これは言い換 […]

日本における「ピアノ」という文化の特殊性【新書読書】

斎藤 信哉 ピアノはなぜ黒いのか 幻冬舎新書, 2007/5/1     「ピアノ」は「日本で最もポピュラーな楽器」の一つでしょう。 人によっては「最もグローバルな楽器」と主張するかもしれません。   しかし、元から鍵盤楽器が音楽文化と歩みを揃えて発展してきたヨーロッパに対して、「日本におけるピアノの立ち位置」というのは、実はかなり特殊な事情が絡んでいるようです。 端 […]

小学生の時、「音読み」と「訓読み」の区別って難しくなかった?【新書読書】

笹原 宏之 訓読みのはなし 漢字文化圏の中の日本語 光文社新書, 2008/5/16 笹原 宏之 訓読みのはなし 漢字文化と日本語 角川ソフィア文庫, 2014/4/25 ※光文社新書と角川ソフィア文庫で同タイトルが出ています。  後から出た角川ソフィア文庫の方が価格が安く、わずかですが加筆・修正がなされているので、基本的にはこちらを推奨します。  ただ、加筆・修正箇所はわずかなので、Kindle […]

1 3 12