ステファノ・マンクーゾ&アレッサンドラ・ヴィオラ(著) 久保 耕司 (訳): 植物は〈知性〉をもっている 20の感覚で思考する生命システム. NHK出版, 2015/11/20 BACKGROUND ――対象 「植物は知性を持っているのだろうか?」 巻頭に提示されるこの問いに多方向から光を当てるのが、本書の著者たる植物学者のステファノ・マンクーゾ。彼は植物の持つ […]
解が無数にある常微分方程式 単純な常微分方程式についても, 解の一意性は必ずしも成り立たないことを本記事では紹介します: 次の常微分方程式の初期値問題を考えましょう \begin{align*} \begin{cases} \dfrac{dx}{dt}(t) = -2\sqrt{|x(t)|},\\ x(0) = 1. \end{cases} \end{align*} まずは, これを変数分離法を […]
喜多崎 親(編), 京極夏彦, 常光徹, 東雅夫, 太田晋: 怪異を語る: 伝承と創作のあいだで. 三元社, 2017/3/15 BACKGROUND ――対象 「怪異の語り方」をテーマとしたシンポジウムを書籍化したもの。 登壇者は、言わずと知れた京極夏彦氏をはじめ、喜多崎親氏、常光徹氏、東雅夫氏、太田晋氏と、伝承や民俗を専門とする錚々たる面子です。 各演 […]
今回はこちらの記事と姉妹編になっています。 【学習】軽い気持ちで学術論文を読もう ――論文検索のすすめ【隙間リサーチ】 前記事では、「論文の探し方」にフォーカスして紹介しました。 しかし、探してみると「論文自体の読み方」もライト層向けはあまり無いようで……。 こういうのって、みんな「習うより慣れろ」で研究室の先輩や教員から聞いて習得するのかもしれないですね。 というわ […]
前川 淳: 本格折り紙―入門から上級まで. 日貿出版社, 2007/7/1 BACKGROUND ――対象 「普段は科学系の本を中心に紹介しているのに、今回は急に子供向け?」 いえいえ、そんな事はありません。 確かにこれは折り紙の本ですし、子どもでも作れるような作品も紹介されています。 しかし、本書の真骨頂は「数学の分かる大人」にこそ面白く感じられるはずで […]
古川 武彦, 大木 勇人: 図解 気象学入門 ブルーバックス, 2011/3/23 BACKGROUND ――対象 著者の古川氏は気象庁で予報を行っていた気象の専門家。 共著者の大木氏は科学書・教科書の編纂を得意とする編集者です。 「気象学」は高校理科では選択の少ない「地学」に含まれているので、気象については中学以来ご無沙汰の方がホトンドではないでしょうか […]
前回記事フーリエ変換とは無限次元空間の直交分解のひとつであるでは、 三角関数の族は関数空間の正規直交基底になっているよ! フーリエ変換はそれらへの直交分解だよ! ということを説明しました。 今回はさらに、 フーリエ変換は自然現象を捉えるのに役に立つよ!! ということを説明していきたいと思います。 フーリエ変換で熱の拡散を捉えてみよう 明日の東京の気温はどれくらいだろうか? エアコンはどこに置くと冷 […]
町田 和彦(編): 図説 世界の文字とことば. 河出書房新社, 2014/8/7 BACKGROUND ――対象 世界には数千の言語が存在します。 多くは親戚の言語があり、「どの言語とどの言語が近いか」といった系統樹などは社会の教科書にもよく載っています。 では、「文字」はどうでしょう? これらは言語の系統樹と一致するのでしょうか? 結論から言うと「No.」なのです。 […]
アントニオ G イトゥルベ(著), 小原 京子(翻訳) : アウシュヴィッツの図書係. 集英社, 2016/7/5 BACKGROUND ――対象 ナチス政権下でのアウシュヴィッツを描いた物語。 物語としての肉付けを行ったためかフィクションという体裁を取っていますが、実在する人物を扱っており、大筋においては限りなくノンフィクションに近い性 […]
【書評】音律と音階の科学 小方 厚 : 音律と音階の科学 新装版. ブルーバックス, 2018/5/16 BACKGROUND ――対象 「物理学者が音楽理論の根本を解き明かす」という、一風変わったコンセプトです。 音階やコードといった音楽理論に物理学の視点で斬り込みます。 本書が出版された2007年の時点では、音楽理論を物理学や心理学の視点で語る本はまだ […]