2018年

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【書評】小説家の作り方

【書評】小説家の作り方   小説家の作り方 野崎まど, メディアワークス文庫, 2011/3/25       BACKGROUND ――対象  近年色々なレーベルから出版している野崎まど氏の、比較的初期の作品です。  昨年はアニメの『正解するカド』の脚本で非常に物議を醸し、一部で有名となりましたね。    本作品の主人公は駆け出し作家。人物や舞台 […]

エスキモーの雪の名前は何種類?【隙間リサーチ】

有名な雑学ネタに、「エスキモー※は雪を100通りにも呼び分ける」という話があります。 これ、実際の真偽はどうなんでしょうか? 日本でも英語圏でも「サピア=ウォーフの仮説」と絡めて持ち出される例でありますが、実際はかなりデマによって誇張されている話のようです。 今回はこれを確かめてみようと思います。 ※なお、現代では「エスキモー」との呼び名は不適切との声もあり「イヌイット」と表記するのがpoliti […]

【書評】個体発生は進化をくりかえすのか

【書評】 個体発生は進化をくりかえすのか   個体発生は進化をくりかえすのか 倉谷滋, 岩波科学ライブラリー, 2005/7/9       BACKGROUND ――対象  「個体発生は系統発生をくりかえす」  ――有名なヘッケルの言葉であり、「反復説」と呼ばれてる仮説を端的に語るものです。  「個体発生」とは、受精卵が細胞分裂と分化を繰り返して、一つの個 […]

「認知症」と「アルツハイマー病」って違うの?【隙間リサーチ】

先日、こんな科学ニュースが流れてきました。 田中耕一さんの技術、アルツハイマー早期診断への道開く:朝日新聞デジタル   私も興味があって精読したかったので解説記事にしようと思ったのですが、 「そもそもアルツハイマー病が何であるか知っている人って少ないのでは?」 という問題が噴出しまして。   「認知症とアルツハイマー病の区別もつかない状態で最先端の研究を説明なんて無理!」 とい […]

【書評】ことばの発達の謎を解く

【書評】 ことばの発達の謎を解く   ことばの発達の謎を解く 著:今井むつみ , ちくまプリマー新書, 2013/1/9       BACKGROUND ――対象  「子どもの言語獲得」は言語学の上でも教育学の上でも、非常に重要な過程です。  身近な領域では「外国語学習」との関連で、「正常な子どもが母国語を獲得するプロセス」がフォーカスされることが多々あり […]

【書評】甲賀忍法帖

【書評】 甲賀忍法帖   甲賀忍法帖 山田風太郎, 角川文庫, 2010 (初刊行は1959年)     BACKGROUND ――対象  「敢えてこの時代に紹介したい作品」ということで持ち出してみました。  超能力を駆使する忍者たちがひたすらに能力バトルするお話であります。    「なんだ、またそういうラノベか」って?   いえいえ、これは「ライトノベル」なんて言葉 […]

  • 2018.02.03

「ケルト神話」って何なのさ:① ケルト人と「ケルト神話」

皆さんは「ケルト神話」ってご存知でしょうか。聞いたことくらいはある?結構。聞いたこともない? それも結構。まあとりあえず読んでってくださいよ。 「ケルト神話」と聞いたとき、きっと多くの方が真っ先に思い出すのはあの英雄でしょう。そう、クーフーリンなどと呼ばれるあの人です。他にも何人かの英雄の名前を挙げることができることでしょう。ではケルト人の神々の名前を挙げられるでしょうか。あるいは「ケルト神話」が […]

【書評】音楽嗜好症

【書評】音楽嗜好症 脳神経科医と音楽に憑かれた人々   音楽嗜好症 脳神経科医と音楽に憑かれた人々 著:オリヴァー・サックス、訳:大田直子 ハヤカワ・ノンフィクション, 2014/8/22     BACKGROUND ――対象  医学の世界では「極めて珍しい疾患」が「人間一般の普遍的性質」を解き明かす重要なヒントとなることがしばしばあります。  例えば、「ある特定の […]

対称行列とレイリー商、ミニマックス定理の話

前回は行列は固有ベクトルの向きを変えないということを説明しました。 今回も引き続き、対称行列 $$A=\begin{pmatrix} 5 &\sqrt{3} \\ \sqrt{3} & 3\end{pmatrix}$$ を用いて、行列の固有値について解説をしていきます。 前回は行列は正方形を平行四辺形に写すものとして説明しましたが、今回は半径 \(1 \) の円(単位円)を写してみ […]

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