Kindle Unlimitedで知識欲を満たすリスト(理系編)

Kindle Unlimitedで知識欲を満たすリスト(理系編)

Kindle Unlimitedで知識欲を満たすリスト(理系編)

Kindle Unlimitedで知識欲を満たすオススメ活用法

 ↑最初にこちらをお読みください

  ・Kindle Unlimitedで知識欲を満たすリスト(シリーズ編)

  ・Kindle Unlimitedで知識欲を満たすリスト(文系編)

  ・Kindle Unlimitedで知識欲を満たすリスト(理系編)

  ・Kindle Unlimitedで知識欲を満たすリスト(番外編)

 

このリストは「2018年4月26日現在でのKindle Unlimited対象本」です。

読む際にはご自身で「現在対象本かどうか」をご確認下さい

 

↓例によってKindle Unlimitedのリンクも張っておきます。気が向いたら是非どうぞ。

・数学

瀬山士郎

はじめてのトポロジー

★★★★☆

タイトルの通り、「トポロジー」という分野に一歩踏み込むための内容です。

最初は「そもそも私たちが今まで習った幾何学は」という話で、中学レベルの数学から捉え直すことから始まり、最終的には三次元やn次元の曲面まで拡張して考えています。

数式は全く使わない代わりに、図が多用されています。しかし図以上に、読者自身の頭の中の「イメージ」を多用する内容です。

 

四本 彬

植物の形はどのようにしてつくられるのか

★★★★☆

「フィボナッチ数列は生物の現象によく出てくる」という話だけは有名だけど、「なぜ」を説明している本は意外と少ないように感じます。

本書は「植物にフィボナッチ数列を始めとした数学的な構造が現れる」という例を紹介するだけでなく、「どうしてフィボナッチ数列が現れるのか」といったモデル的な考察も加えていますね。記述もかなり具体的であり、簡単なプログラムがわかる人なら自分で「フィボナッチ数列が現れる植物の種の配列」なども再現できるようなコーナーもあります。

軽く読める内容ですが、「科学雑学」で終わらずに数学的な面白さにフォーカスしているところが良いですね。

 

スティーブン・M・スティグラー

統計学の7原則 ──人びとが築いた知恵の支柱

★★★★★

統計を使う実務上のノウハウではなく、統計学の発展の歴史を紐解く内容です。

統計学ではデータの集計や解析などに様々な「お作法」が存在しますが、「なぜ」についてはあまり触れられません。実用上の需要と先人の苦労を知ることで、これらが「どうして必要なのか」「どうして有用なのか」がよく分かりました。

数学的な難しさはあまりありませんが、「確率分布」や「標準誤差」や「回帰」といった基本的な用語は解説無しで使われるので、最低限の予備知識は必要かもしれません。

 

岡嶋 裕史

数式を使わないデータマイニング入門
隠れた法則を発見する

★★★★☆

個人的にこれは「十代の頃に読んでおきたかった」という本です。

既にデータ分析に片足を突っ込んだ人ではなく、もっと手前にいる人のために「何のためのデータを集めるか」「データをどういう方向で解析するつもりか」という、非常にプリミティブな論点を提示していいます。「数式を使わない」というか、「数式を使う以前の段階」という感じですね。

具体的な数式やテクニックは出て来ない代わりに、もっと汎用性の高い考え方が詰まっています。定量的な研究に取り組むなら、最初に読んでおいて損は無いです。

 

年代記

統計学入門~はじめの半歩~

★★★☆☆

学部の統計学の講義の3,4コマ目くらいまでの内容を、例題付きで丁寧に説明してくれます。

高校数学くらいまで出来ていれば、文系の人でも問題なく読めるかと思います。

「正規分布」や「標準偏差」といった概念に馴染み、自分の手を動かして納得ができます。

徹底して標準分布の例題ばかりなので若干単調ではありますが、標準分布を逐一提示してして「どこを計算しているか」を図示しているので、ゆっくり独学で進める人でも躓きにくいと思います。

 

・物理

広瀬立成

質量とヒッグス粒子

★★★★☆

古典力学から相対論、素粒子論までを「質量」というキーワードで概観する一冊。

高校物理の内容と重複する部分が大きいものの、数式はあまりありません。その代りに「どうしてこの理論では説明できない部分があって、次の理論が必要とされたのか」が結構丁寧に書かれています。

物理未習者は「物理学の教養」として、既習者は「公式の裏話」として楽しめる読み物です。

 

松原隆彦

宇宙に外側はあるか

★★★★☆

宇宙のモデルを理論的背景とともに紹介する一冊。

重力波や素粒子などが出てくるので、上の『質量とヒッグス粒子』などを読んでから手を付けるとより楽しめると思います。

ニュートリノやビッグバン、ダークマターなど、科学系のニュースでよく耳にする言葉ですが、理論的背景から概観するには丁度良いと思いました。

 

中村 寛治

カラー図解でわかるジェット旅客機の秘密

★★★★☆

物理学・機械工学の観点から見た飛行機の面白さを、中高生にも分かるように解説してくれています。

詳細かつ明快な図がたくさん掲載されているのも良いですね。

 

 

久保田 博南

いのちを救う先端技術

★★★☆☆

医療の検査機器というのは「生命現象を物理量で捉える」という面白さがありますね。

「先端技術」と題していますが、中で紹介されているのはどこの病院でもスタンダードになっているようなオーソドックスな医療機器です。

あまり難しい用語は出てこないので、予備知識なく軽い気持ちで読めます。

 

大宮信光

眠れなくなるほど面白い 図解 科学の大理論

★★★☆☆

身の回りの現象や、ノーベル賞などニュースで見るような話題について、高校理科の知識を使って説明しています。

話題はいろいろな分野を少しずつつまみ食いしている感じですが、物理系が多いですね。

 

・化学

船山信次

毒があるのになぜ食べられるのか

★★★☆☆

動物から植物まで、食品から嗜好品まで、広く「食される毒」を紹介しています。

筆者は「薬草」が専門なだけあり、植物系の毒についての記載が充実している印象です。

単に毒や食品を雑学的に紹介するだけでなく、一つ一つ構造式を提示してを説明しているところが面白い。

同著者の『毒 青酸カリからギンナンまで』も似たような感じなので、どちらか読んで気に入ったらもう片方も読んでみて良いかもしれません。本書の方が雑談的な余談は多めで、『青酸カリからギンナンまで』の方は総論的な話が多めです。

 

・生物

長沼毅・藤崎慎吾

辺境生物探訪記

★★★☆☆

海底、砂漠、宇宙……生物が全く存在しないかのような極限環境に棲む「細菌」たちの話。

対談形式で話が進むので、体系的なまとまりには欠けるものの、細菌に関わる雑談を広く聞ける面白さがあります。

 

畑中正一

殺人ウイルスの謎に迫る!

★★★★☆

表紙やイラストは派手だけど、中身はウイルス学の標準的なトコロを結構ちゃんと抑えています。イラストだけでなく、実際のウイルスの電顕画像や、感染した病理の画像が載っているのが素晴らしい。

ウイルスに関する入門書としては「最初の一冊」に非常に適した内容。

 

田中修

葉っぱのふしぎ

★★★★☆

植物の中でも地味な扱いを受けがちな「葉」ですが、実はすごく重要なんです。

本書では「葉」を主役に、呼吸・光合成・内分泌などの機能に分けて植物の生理学を説明しています。

「花」が単なる生殖器であることを考えると、「葉」は何とたくさんの機能を果たしていることか!と、改めて驚きますね。

同じ筆者の『花のふしぎ100』もなかなか面白いですが、そちらは植物生理よりも、花の種類や文化との関わりなど、博物学的な内容が多めです。

 

盛口満

教えてゲッチョ先生!昆虫のハテナ

★★★★☆

昆虫の雑学トークの本。ファーブルとか好きな人にはオススメです。

カブトムシやチョウのような「花形」の虫よりも、アリ、クモ、ハチ、ゴキブリなど、「身近だけどあまり脚光を浴びない虫」についてかなり紙面を割いて語っており、なかなかの「ガチ」っぷりが伺えます。こういう「研究者のマニアっぷり」が惜しげもなく披露されている本は個人的に非常に好感が高いですね。

イラストが非常に忠実ですので、苦手な人はちょっときついかも。(そういう人はそもそも読まないと思いますが)

 

北村雄一

超美麗イラスト図解 世界の深海魚最驚50

★★★★☆

このレーベルは全ページフルカラーなので、こういうコンセプトの本は非常に映えますね。

扱われている全ての深海魚が、写真ではなくイラストで描かれています。鮮明で統一された画像が得にくい写真よりも、むしろイラストのほうが特徴が分かりやすい部分もあり、この点は短所ではなく長所と言った方が良いかもしれません。

生態の紹介や系統樹の提示など、「解説」の部分もそれなりの充実度で満足でした。

一読してから深海魚の企画展などに行くと何倍も楽しめる内容だと思います。

 

藤木大介・鈴木克哉

動物たちの反乱 増えすぎるシカ、人里へ出るクマ

★★★☆☆

日本の山の生態系に起こりつつある変化を、「動物」という観点から捉えます。

「生態系はネットワークなので、一部に起きた歪みが全体の変化を引き起こす」という話は生物で習いますが、身近な現象としてこれほど詳細に知る機会はあまりありません。

シカ、イノシシ、クマ、アライグマなど、身近な野生哺乳類の生態も勉強になりました。

 

田向健一

珍獣の医学

★★★☆☆

獣医師によるエッセイ集。

医師に比べると普段接する度合いが少ない分、「ペットの獣医師が普段どんな仕事をしているか」だけでも新鮮に感じました。

また、系統立った動物学の話は無いものの、本書に出てくる様々な動物の生態の話は、生物学を学んだ人にとっては一層面白く感じられると思います。

両生類から哺乳類まで、実に幅広い動物を一手に引き受ける獣医師の仕事には、動物の多様さ・複雑さが詰まっていますね。

 

遠藤秀紀

人体 失敗の進化史

★★★★☆

名前と中身のギャップで損していると思う本。中身はヒトよりもヒト以外の動物の解剖の話が多い。それもそのはずで、筆者は動物の解剖を生業としている獣医出身の教授。

動物の比較解剖にまつわる四方山話を「進化」というキーワードでまとめ上げた集めた一冊です。

動物園の動物がどういった経緯で「献体」となっているのか、といった話も挟まれており、普段接することのない「動物業界」についても垣間見ることが出来ます。

 

近藤祥司

老化という生存戦略 進化におけるトレードオフ

★★★★★

一般書とはいえこんなコアな本がKindle Unlimitedに入っていることに驚きました。

実は紙書籍で買って読んだのですが、これを期に電子版で再読。

「老化」を「進化」の観点から考える本です。「老化という現象は、何かとのトレードオフの結果生じた副産物である」という観点が全篇に渡って提示されています。

一般向けの本では「老化」というと「テロメア説」ばかり出てきますが、本書は様々な説をバランス紹介しつつそれらを複合的に捉えるという、極めて堅実な立場を取っています。

紹介されている研究は全体的に新しく、巻末には参考文献のリストと索引が充実しているのが素晴らしい。大学以上で生物学を専攻している人でも十分に楽しめる、充実した内容です。

 

水島 昇

細胞が自分を食べる オートファジーの謎

★★★★☆

ノーベル賞で話題になった「オートファジー」。この「細胞が自分で自分を溶かす」という生命現象を素人でも十分に理解出来るよう説明してくれる内容です。

序盤では基本的な細胞の生理学を説明し、その後で「オートファジー」の仕組みと、それがどのような生物学的意義を持っているかを解説していきます。

高校生でも読める内容ながら、大学の学部生向け教科書よりもマニアックなことまで書いてあります。オートファジーは大学入試の生物にも今後どんどん出てきそうですね。

 

兼本 浩祐

脳を通って私が生まれるとき

★★★★★

「神経科学に基づいた知見」から「意識」や「自我」についてのモデルを構築するという試み。

序盤でゾウリムシやクラゲの神経の話から出発していて、あまりに地道なところから議論が始まることに驚きました。しかしそれが、神経からシナプス、そしてネットワーク、入出力と表象のモデルへとシームレスに繋がっていく――この見事な流れに、えも言われぬ感動を覚えました。

そこから話は「意図」や「意識」や「自我」という話に移ります。これらの哲学的な色合いの問題に対し、前半で構築した「神経基盤に則った意識のモデル」を利用しつつ考察を加えていきます。

本書は「心身問題」もとい「心脳問題」について、哲学とは真逆の側からアプローチしています。すなわち、本書のテーマは「生物学」でありつつ「哲学」でもあります。

 

森 憲作

脳のなかの匂い地図

★★★★☆

「嗅覚」のメカニズムを科学的に解き明かしています。

ミクロでは分子・細胞の生理学、そしてマクロでは認知科学の知見まで、非常によく網羅されています。科学的な機序の説明も一切手抜きなしで、部分的には学部生向けの生理学の教科書より詳しいくらいです。それでいて図が分かりやすく多用されているのも素晴らしい。

ただ一つ残念なのは、出典・参考文献リストが付いていないこと。

 

川上正舒・野田泰子・矢田俊彦

からだと病気のしくみ図鑑

★★★★☆

人体を臓器別に系統的に外観する本。単なる図集でなく、文字の説明も割と充実しています。

人体に関する教養を備えるには手頃で丁度良い本だと思います。

 

 

今村顕史

知っておくべき感染症33

★★★★☆

メジャーな感染症に絞って、非医療者でも知っておくべき病原体の知識を教えてくれます。

「乳幼児にハチミツは危険」「本来麻疹は非常に感染力の強いウイルス」といった「感染症の教養」がよくまとまっている本。

 

飯島裕一・佐古泰司

認知症の正体

★★★☆☆

「認知症」について、現代までの科学的知見が良くまとまってレビューされています。

「アルツハイマー病」だけでなく、「レビー小体型認知症」「前頭側頭型認知症」「脳血管性認知症」も独立した章立てで紹介されているのは、新書では珍しいのではないでしょうか。その他、現代医療で実施されている検査や治療についても触れています。

ほぼ最新の情報が分かりやすい筆致でまとめられていて非常にお買い得な本なのですが、引用元や参考文献が記載されていないのが欠点。著者が医師でないこともあり、情報の信頼性にはある程度の制限があると思って読んだ方が良さそうです。

 

柴本礼

日々コウジ中

★★★☆☆

「高次機能障害」という症状は教科書で読んでもなかなかピンとこないもの。

詳細に綴られた実話の数々は、時に教科書よりも克明に「高次機能障害」について教えてくれます。

 

・地学

平 朝彦,徐 垣,末廣 潔,木下 肇

地球の内部で何が起こっているのか?

★★★☆☆

地球深部探査船「ちきゅう」の試みを紹介しつつ、プレートテクトニクスに基づく地球のモデルを解説しています。

中学生程度の知識があれば読めるので「地学の本」と構える必要もありません。

「そんな研究が何の役に立つのか?」とも言われそうな海底掘削のプロジェクトが、地震・生物史・エネルギー資源など、多くのトピックとクロスオーバーすることも良く分かりました。

 

岩槻 秀明

図解天気と気象がよくわかる本
オールカラーで直感的にわかる

★★★★☆

浅く広く一通りのトピックを網羅しており、気象学の入門に向いています。

最初に気象の総論に当たる話があり、次に天気図を紹介しつつ個別の気象現象の紹介、あとはトピック的にアラカルトがあって、最後には天気予報や観測に関する話。

詳しさや情報量としては、高校の地理・地学で出る内容を少し軽くした感じでしょうか。カラーイラストも充実しているので読みやすかったです。

 

以上、自然科学を中心としたオススメ本でした。

統計関係を「数学」に詰め込んだ上、膨大な一大勢力である「医学・薬学」のコーナーを全部「生物」に詰め込んだので、ややカテゴリにアンバランスが出ています。

全体として、専門レベルの人を唸らせる本は少ない(上述の『老化という生存戦略』『脳を通って私が生まれるとき』くらいが例外)ので、非専門分野についての本を眺めて楽しむのが楽しい使い方かなと思いました。

なお、「医学・薬学」のカテゴリーを考えなしに彷徨うのだけは勧めません。

アレはゴミの山以上の何か魔境だ……

この記事を書いた人

The following two tabs change content below.

狐太郎

読んでは書くの繰り返し。 学んでは習うの繰り返し。

0 メディアカテゴリの最新記事