この時期にお馴染みの『赤鼻のトナカイ』。
よくよく考えると「トナカイの赤い鼻で夜道を照らして走る」って意味不明じゃないですか?
というわけで気になったので色々調べてみました。
1.そもそもトナカイの鼻って何色?
まず普通のトナカイの鼻って何色なんでしょう?
こちらの画像です。はいドーン。
(PEXELSより/Jokob氏撮影)
黒い。
毛で覆われていても、まぁせいぜい茶色といったところでしょう。
「じゃあ赤い鼻のトナカイなんていないの?」
いやいや。そうとも言えないようです。
こんな論文が出ていました。
また、こちらのページでも同論文を簡単に概説しています(リンク先は英語です)
The Scientific Reason Why Reindeer Have Red Noses
簡単にまとめると、
「トナカイは鼻粘膜の毛細血管の密度が高い」
「血管が充血したとき、鼻が赤く見える」
という事実が確かにあるようです。
「赤い鼻」の原型はこんな現象にあったのでしょう。
人間でも、寒かったり酔ったりすると、鼻だけ真っ赤になる体質の人がいますね。
あれも「鼻に集まった血管が充血しやすい」わけで、同じような体質といえるかも。
赤鼻のトナカイはボヤッキーだった……?
2.元の歌詞だとなんて言ってるの?
この曲の英語のタイトルは『Rudolph the Red-nosed Reindeer』です。
直訳すると「赤鼻トナカイのルドルフ」ですね。
日本語では「ルドルフ」の名前が消えています。
フルの歌詞はこちらでどうぞ。
Google検索で『赤鼻のトナカイ』でもいくらでも見つかります。
さて、歌詞を冒頭だけ抜粋してみます。
Rudolph the red-nosed reindeer
Had a very shiny nose
「ルドルフという赤い鼻のトナカイ」
「そいつの鼻は光っていた」
そう、「光る」んですよ。
これです、和訳で消えていたのは。
和訳歌詞だと「赤い鼻だから夜道を照らせて安心!」みたいに見えるけど、
元の歌詞では「赤い」のとは別に「光る」ということに言及されているわけです。
「夜道で役に立つ」のは、「赤い」からではなくて、「光る」からだったのですね。
3.なぜ「赤い」なら「光る」のか?
しかし「赤い」からといって「光る」か?
ここで気になったのがその次の歌詞です
And if you ever saw if
You would even say it glows
「君だってあの鼻を見たら 真っ赤に燃えてるとさえ思うだろう」
この「glow」とは、「火が燃える時の明るさ」を指すことの多い語です。
(だから電子タバコの名前にもなっていますね)
つまり、「赤い色」が火を連想させることから、「赤い鼻→明るい」とされたんですね。
日本語でも、「アカ」はそもそも「明るい」を示す語であったのが、転じて「赤」として使われるようになったようです。
「赤い色」と「明るい火」の関連は、割と普遍性の高い結びつきなのかもしれません。
つまり、『「赤」という色自体は「発光」という物理現象とは何のつながりもないが、「赤い色」が「火」を連想させることから、「赤い鼻は何か照らしそう」というイメージが派生したのではないか』という推測です。
上の段で述べたことをまるっきりひっくり返しますが、やっぱり「赤いから明るい」という類推があったのではないかと考えられます。
また別の仮説として、先のように「鼻の血管が多くて、充血したときに赤く見える」のだとしたら、他のトナカイよりも鼻を覆う毛が少ないことも予想されます。つまり「光を反射してテカテカと光る」ことも十分に考えられますね。
今回は季節ネタということで、軽い思いつきで小さな調べ物をしてみました。
半端な結論になりましたが、創作は創作。ほどほどに検証して楽しむのが良いのでしょう。
それではみなさん、Have a nice holiday!
★ひとことまとめ
1.トナカイの鼻は黒いが、充血すると赤くなることもある
2.『赤鼻のトナカイ』は「光る鼻」であるとも言及されている
3.「赤い」は火に繋がり、「明るい」に繋がったと考えられる
☆この時期のオススメ
今回はあまりまとまった話題ではないので今回は本はパス。
代わりに寒い時期のオススメを紹介しておきます。
ティーバッグ型のホットワイン(グリューヴァイン)です。
ワインを温めてこのティーバッグを入れて、お好みでハチミツやシロップを入れれば簡単にホットワインができます。
買い置きできる材料だけで簡単に作れるのも便利。
狐太郎
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