金曜日の本棚

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【書評】精神疾患の脳科学講義

功刀 浩: 精神疾患の脳科学講義. 金剛出版, 2012/7/10     BACKGROUND ――対象 近年、精神疾患が「脳の病気」であるということは一般にも認識されつつあります。 しかし、具体的に「脳がどう異常を起こしてどんな精神疾患が起きるのか」は完全に解明されているわけではありません。   こうした研究は21世紀の現在、まさに現在進行系で発展している領域です。 「精神疾患の脳では何が起こっているか」を神経科学研究から見ていきましょう。   著者の […]

【書評】つくられる偽りの記憶

越智 啓太(著): つくられる偽りの記憶 あなたの思い出は本物か? DOJIN選書, 2014/12/2     BACKGROUND ――対象 自分がもっている思い出は間違いのないものと考えるのがふつうだが、近年の認知心理学の研究で、それほど確実なものではないということが明らかになってきている。 事件の目撃者の記憶は、ちょっとしたきっかけで書き換えられる。 さらに、前世の記憶、エイリアンに誘拐された記憶といった、実際には体験していない出来事を思い出すこともある。 このような […]

【書評】ニルヤの島

  柴田勝家 ニルヤの島 ハヤカワ文庫JA,  2016/8/24     BACKGROUND ――対象 第2回ハヤカワSFコンテスト(2014年)の大賞作品ですね。 著者の柴田勝家(ホントにそういうペンネームです)氏は本作で作家デビューした新人。 2016年には短編で星雲賞も受賞しています。   ……と、受賞歴はSF一色ですが、著者は実は民俗学で修士号を取っています。 人文学と科学の融合したSFとは一体どんなものなんでしょうか。 METHODS ――筋 […]

【書評】植物は〈知性〉をもっている

ステファノ・マンクーゾ&アレッサンドラ・ヴィオラ(著) 久保 耕司 (訳): 植物は〈知性〉をもっている 20の感覚で思考する生命システム. NHK出版, 2015/11/20     BACKGROUND ――対象 「植物は知性を持っているのだろうか?」 巻頭に提示されるこの問いに多方向から光を当てるのが、本書の著者たる植物学者のステファノ・マンクーゾ。彼は植物の持つ豊かな世界を、あの手この手で提示してくれます。 この奇抜極まる植物世界の話を含蓄深い物語として世に送 […]

【書評】怪異を語る: 伝承と創作のあいだで

喜多崎 親(編), 京極夏彦, 常光徹, 東雅夫, 太田晋: 怪異を語る: 伝承と創作のあいだで. 三元社, 2017/3/15       BACKGROUND ――対象 「怪異の語り方」をテーマとしたシンポジウムを書籍化したもの。 登壇者は、言わずと知れた京極夏彦氏をはじめ、喜多崎親氏、常光徹氏、東雅夫氏、太田晋氏と、伝承や民俗を専門とする錚々たる面子です。 各演者のテーマについては目次を参照のこと。 METHODS ――目次 まえがき 4 東 雅夫  百物語の […]

【書評】本格折り紙――入門から上級まで

前川 淳: 本格折り紙―入門から上級まで. 日貿出版社, 2007/7/1     BACKGROUND ――対象 「普段は科学系の本を中心に紹介しているのに、今回は急に子供向け?」 いえいえ、そんな事はありません。   確かにこれは折り紙の本ですし、子どもでも作れるような作品も紹介されています。 しかし、本書の真骨頂は「数学の分かる大人」にこそ面白く感じられるはずです。   本書の著者の本業はソフトウェアエンジニア。そう、ガチガチの理系です。 しかし筆者 […]

【書評】図解 気象学入門

古川 武彦, 大木 勇人: 図解 気象学入門 ブルーバックス, 2011/3/23     BACKGROUND ――対象 著者の古川氏は気象庁で予報を行っていた気象の専門家。 共著者の大木氏は科学書・教科書の編纂を得意とする編集者です。   「気象学」は高校理科では選択の少ない「地学」に含まれているので、気象については中学以来ご無沙汰の方がホトンドではないでしょうか。 理系高校生も「物理/化学」選択が多いので、気象学はご無沙汰になりがちです。 そして、本書はそうし […]

【書評】 図説 世界の文字とことば

町田 和彦(編): 図説 世界の文字とことば. 河出書房新社, 2014/8/7     BACKGROUND ――対象 世界には数千の言語が存在します。 多くは親戚の言語があり、「どの言語とどの言語が近いか」といった系統樹などは社会の教科書にもよく載っています。 では、「文字」はどうでしょう? これらは言語の系統樹と一致するのでしょうか? 結論から言うと「No.」なのです。   本書は「文字」の系統樹から世界の言語を眺めてみるという試みです。 50種類近くの言語と […]

【書評】アウシュヴィッツの図書係

    アントニオ G イトゥルベ(著), 小原 京子(翻訳) : アウシュヴィッツの図書係. 集英社, 2016/7/5       BACKGROUND ――対象 ナチス政権下でのアウシュヴィッツを描いた物語。 物語としての肉付けを行ったためかフィクションという体裁を取っていますが、実在する人物を扱っており、大筋においては限りなくノンフィクションに近い性質の物語です。 著者はジャーナリストであり、彼が80歳の「ディタ・クラウス」から直に取材した話をまと […]

【書評】音律と音階の科学

【書評】音律と音階の科学 小方 厚 : 音律と音階の科学 新装版. ブルーバックス, 2018/5/16     BACKGROUND ――対象 「物理学者が音楽理論の根本を解き明かす」という、一風変わったコンセプトです。 音階やコードといった音楽理論に物理学の視点で斬り込みます。   本書が出版された2007年の時点では、音楽理論を物理学や心理学の視点で語る本はまだあまりなく、和書では本書が草分けのような存在だったと記憶しています。 十代の私は本書の旧版を読んで、 […]

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