「Intelligence(知能, 知性)」とはどんなものでしょう。 人間の知的能力を純粋に測るという概念に慣らされた近代以降の私たちは、「知能」が単独で純粋な能力値だと考えがちです。 しかし、知能テストは様々な試行錯誤を経て今の形になっています。 シリーズ初回として、まずは知能テストの成立までの歴史を概観してみましょう。 「知能」の小史 古典的な直感は、「知能」を「あるかないか」でニ分したくなり […]
謝辞・重要なお知らせ 当勉強会は、2020年7月16日を以て第一期終了と致しました。 参加頂いた方、そして記事を読んで頂いた皆様に、この場を借りて感謝申し上げます。 当ブログでの「知能」に関する記事については、まだ数回分のネタが溜まっているので引き続き連載していく予定です。 近いうちに第二期として再始動する予定はありますが、現時点では会期は未定です。 再始動の際には改め […]
功刀 浩: 精神疾患の脳科学講義. 金剛出版, 2012/7/10 BACKGROUND ――対象 近年、精神疾患が「脳の病気」であるということは一般にも認識されつつあります。 しかし、具体的に「脳がどう異常を起こしてどんな精神疾患が起きるのか」は完全に解明されているわけではありません。 こうした研究は21世紀の現在、まさに現在進行系で発展している領域です […]
越智 啓太(著): つくられる偽りの記憶 あなたの思い出は本物か? DOJIN選書, 2014/12/2 BACKGROUND ――対象 自分がもっている思い出は間違いのないものと考えるのがふつうだが、近年の認知心理学の研究で、それほど確実なものではないということが明らかになってきている。 事件の目撃者の記憶は、ちょっとしたきっかけで書き換えられる。 さらに、前世の記憶 […]
科学者というのは意外と神話が好きなもので、科学の用語にも神話に「元ネタ」を持つものが結構あります。 今回は「神話の言葉から直接派生した用語」や「神話の有名な言葉と同語源に当たる用語」を紹介していきましょう。 海馬 = Hippocampus 脳の内側で記憶を作っているのが「海馬」という部分です。 “BodyParts3D, © The Database Center fo […]
喜多崎 親(編), 京極夏彦, 常光徹, 東雅夫, 太田晋: 怪異を語る: 伝承と創作のあいだで. 三元社, 2017/3/15 BACKGROUND ――対象 「怪異の語り方」をテーマとしたシンポジウムを書籍化したもの。 登壇者は、言わずと知れた京極夏彦氏をはじめ、喜多崎親氏、常光徹氏、東雅夫氏、太田晋氏と、伝承や民俗を専門とする錚々たる面子です。 各演 […]
前回の記事ではケルト人について、「ケルト神話」と関連する話題をお話ししました。今回は、具体的に「ケルト神話」の大部分を占めるアイルランドの伝承を見ていきましょう。 アイルランドは、地理的にはブリテン島の西にある島で、面積は北海道とほぼ同じ、高い山はないものの起伏が多く、土壌はあまり肥沃ではありません。気候としては偏西風のため曇りや雨が多いですが、暖流の影響のため緯度の高さに比して温暖です。歴史的に […]
【書評】恐怖の哲学 ホラーで人間を読む 恐怖の哲学 ホラーで人間を読む. 戸田山和久, NHK出版新書, 2016/1/7 BACKGROUND ――対象 「ホラー映画」という題材に潜む奥深さを「哲学的」に解き明かそうという本です。 「恐怖」は「非常に原始的な心理」とされていますが、「恐怖」は哲学や科学でどのように解明されて […]
皆さんは「ケルト神話」ってご存知でしょうか。聞いたことくらいはある?結構。聞いたこともない? それも結構。まあとりあえず読んでってくださいよ。 「ケルト神話」と聞いたとき、きっと多くの方が真っ先に思い出すのはあの英雄でしょう。そう、クーフーリンなどと呼ばれるあの人です。他にも何人かの英雄の名前を挙げることができることでしょう。ではケルト人の神々の名前を挙げられるでしょうか。あるいは「ケルト神話」が […]
【書評】音楽嗜好症 脳神経科医と音楽に憑かれた人々 音楽嗜好症 脳神経科医と音楽に憑かれた人々 著:オリヴァー・サックス、訳:大田直子 ハヤカワ・ノンフィクション, 2014/8/22 BACKGROUND ――対象 医学の世界では「極めて珍しい疾患」が「人間一般の普遍的性質」を解き明かす重要なヒントとなることがしばしばあります。 例えば、「ある特定の […]