線形代数

フーリエ変換とは無限次元空間の直交分解のひとつである

前回の記事では, 2次元のベクトルに対して, 内積を通して直交分解を理解しました. 2次元空間での内積 \((\cdot,\,\cdot)\) には, 大まかに言って次の3つの性質があります. (1) 任意の \(x\in \mathbb{R}^2\) に対して, \((x,\, x)\ge 0\)であり, さらに \((x,\, x)= 0\) と \(x=0\) は同値 (2) 任意の \(x,y \in \mathbb{R}^2\) に対して, \((x,\, y)= (y,\, x)\) […]

ベクトルの直交分解の話

記事を3回に分けて, フーリエ級数展開は直交分解の一種だということをお伝えします. 直交分解って? まずは私たちが認識しやすい次元空間を例に取り, 平面ベクトルを分解することを考えていきましょう. この記事では, 2平面ベクトル \(a\), \(b\) は列ベクトルとして書きます. つまり $$a=\begin{pmatrix}a_1\\a_2\end{pmatrix},\quad b=\begin{pmatrix}b_1\\b_2\end{pmatrix}$$ と書き表せることと約束します. […]

特異値、特異ベクトルと特異値分解の話

二次の正方行列に対して、具体的な計算を通して特異値分解についての解説を試みます。 早速ですが、復習問題です。 2つの行列 $$A=\begin{pmatrix}5 &1\\1&5\end{pmatrix},\quad B=\begin{pmatrix}4 &2\sqrt{3}\\0&2\end{pmatrix}$$ に対して、次の各問いに答えよ。 (1) それぞれの固有値と固有ベクトルを求めよ。 (2) \(x = \begin{pmatrix} \cos\the […]

対称行列とレイリー商、ミニマックス定理の話

前回は行列は固有ベクトルの向きを変えないということを説明しました。 今回も引き続き、対称行列 $$A=\begin{pmatrix} 5 &\sqrt{3} \\ \sqrt{3} & 3\end{pmatrix}$$ を用いて、行列の固有値について解説をしていきます。 前回は行列は正方形を平行四辺形に写すものとして説明しましたが、今回は半径 \(1 \) の円(単位円)を写してみましょう。 行列 \(A\) による単位円の像は楕円形をしています。 楕円の長軸、短軸がそれぞれ固有 […]